日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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解説
薬剤によるサルコイドーシス様反応
冨岡 洋海
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2021 年 41 巻 1_2 号 p. 35-38

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抄録

薬剤によるサルコイドーシス様反応とは,誘引となる薬剤投与との時間的関係で生じる全身性肉芽腫性反応で,臨床病理組織学的所見において,サルコイドーシスとの区別がつかない病態である. Chopraらの診断基準では,誘因となる薬剤の投与歴があり,他の肉芽腫性炎症を来す原因が否定される場合において,①当該薬剤を中止することで軽快 /寛解を認めた場合を highly likely,②軽快/寛解がみられなかった場合をpossible,③当該薬剤の中止による評価ができない場合を proba-ble,としている.誘引となる主な薬剤は, TNF阻害薬,免疫チェックポイント阻害薬,インターフェロン,抗レトロウイルス療法薬などである.予後は概して良好であり,被疑薬の中止 /継続については患者の risk/benefitを考慮すべきである.これらはサルコイドーシスの病態解明において重要な手がかりになると思われる.

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© 2021 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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