2021 年 41 巻 1_2 号 p. 39-44
2012年 4月から心臓サルコイドーシスの診療に FDG PETが保険適用となり, 2020年 3月に同症の診断目的にも適用が拡大された.それ以前から続く試行錯誤での検討により,検査前の事前準備の重要性が確認された.今では心臓サルコイドーシスの診断に対する FDG PETの有用性が確立され,特にその活動性を評価する上で欠かせない検査となっている.一方で,心臓サルコイドーシス以外の心疾患でも FDGの集積が見られることがわかってきており,鑑別の難しさを痛感することも少なくない.心疾患の詳細な評価を行うためには, FDG集積の原理を踏まえた上での病態把握が望まれる.今回は我々自身の経験を踏まえて,FDG PETが陽性となる心疾患についてまとめた.