日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会雑誌
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症例報告
クローン病治療中にAdalimumabによる薬剤性サルコイド様反応を認めた1例
木田 陽子 吉山 史子藤本 さやか井上 拓弥吉村 聡一郎徳重 康介益田 隆広濱崎 直子佐藤 宏紀三輪 菜々子山本 正嗣纐纈 力也桜井 稔泰大島 章裕神澤 真紀多田 公英
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2025 年 45 巻 1_2 号 p. 44-48

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抄録

 症例は32歳男性.クローン病に対しTNFα阻害薬adalimumabで治療中,縦隔・肺門リンパ節腫大と両肺すりガラス陰影が新たに発生した.経気管支肺生検で肉芽腫性炎症を認め,休薬3 ヵ月後に改善を確認し,adalimumabによる薬剤性サルコイド様反応(drug-induced sarcoidosis-like reaction: DISR)と診断した.しかし,同時に原病が悪化し治療選択に難渋した. 代替薬としてIL-12/23阻害薬ustekinumabを開始し,1年以上経過したが, 原病は寛解しDISRは再燃していない.TNFα阻害薬によるDISRの報告は多いが,IL-12/23阻害薬やインテグリン製剤でも少数例が報告されている.生物学的製剤の急速な普及に伴い,稀な有害事象であるDISRの増加が予測される.臨床医は,既存の報告にかかわらず免疫に関わる薬剤によるDISRを発症する可能性に注意する必要がある.

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© 日本サルコイドーシス/肉芽腫性疾患学会
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