日本口腔内科学会雑誌
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原著
家族性および非家族性白色海綿状母斑におけるケラチン発現の免疫組織化学的検討
山本 亜紀神部 芳則柏崎 明子森 良之小宮根 真弓出光 俊郎
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2020 年 26 巻 1 号 p. 16-21

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抄録

目的:白色海綿状母斑(white sponge nevus;WSN)は口腔や膣などの粘膜に生じる白色病変のひとつであり,その表面が特徴的な海綿状を呈している。われわれは,家族性および非家族性WSNにおけるケラチンの違いについて,免疫組織化学的解析を行った。
方法:家族性WSN 2例(ともに女性,35歳,38歳),非家族性WSN 6例(男性2例,女性4例,平均年齢32.7歳)の生検時の標本を使用し,抗ケラチン4,5,6,10,13,16抗体を用いて通法に従い染色した。
結果:H-E染色では家族性と非家族性で明らかな違いはみられなかった。非家族性WSNでは上皮層が抗ケラチン13抗体で染色されたが,家族性WSNの2例では染色されなかった。その他の抗体での染色性に差異はみられなかった。
結論:抗ケラチン13抗体での染色性が家族性と非家族性との間で異なることから,家族性と非家族性は病因が異なる可能性が示された。

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