抄録
2013年から2017年の5年間に北海道大学病院口腔内科を受診した1次性の口腔内灼熱症候群(burning mouth syndrome:以下BMS)患者110例についての特徴と治療効果を後方視的に検討した。調査項目として年齢,男女比,受診経路,病悩期間,治療効果について検討した。対象患者の平均年齢は66歳で女性が88%を占めていた。患者紹介率は76%で,開業歯科からの紹介が最も多かった。病悩期間の中央値は12か月(4~360か月)であった。平均治療期間は13か月(中央値:4.5か月,1か月〜77か月)であった。治療法としては簡易精神療法や薬物療法が中心で,漢方薬の使用例が多く,治療に難渋する症例については抗不安薬など多種類の薬剤が使用されていた。治療効果としては55%の患者に症状の改善を認めていた。