日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
原 著
在宅医療マッサージに関する研究
受療患者の健康関連QOLと基本的日常生活動作の自立度に関する評価と2ヶ月間介入による効果
近藤 宏小川 眞悟朝日山 一男尾野 彰西村 博志
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ジャーナル オープンアクセス

2015 年 40 巻 2 号 p. 59-66

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抄録
【目 的】療養費を用いた在宅医療マッサージを受療する在宅患者の健康関連QOLおよび日常生活動作の自立度の実態と在宅医療マッサージの短期的効果について検討した。
【方 法】対象は、療養費を用いた在宅医療マッサージを受療開始する初診患者54人(平均年齢78.3±10.4歳、男性18人、女性36人)。対象者は2ヶ月間の在宅医療マッサージを受療した。初診時と2ヶ月後に質問票による評価を行った。メインアウトカムは、健康関連QOL尺度 SF-8とBarthel Indexとした。
【結 果】初診時のSF-8の各下位尺度の平均値は、国民標準値より低値を示した。中でも身体機能30.1±11.0と日常役割機能(身体)30.6±9.4は、特に低値であった。Barthel Indexは、平均62.1点であった。介入前後でSF-8の下位尺度とサマリースコア(身体、精神)に有意差は、みられなかった。またBarthel Indexに有意な変化は、みられなかった。併用療法に関節可動域訓練やストレッチを用いた場合にのみ、SF-8の身体サマリースコアと関連性があり改善がみられた(P<0.05)。
【考察・結語】在宅医療マッサージを受療する在宅患者の健康関連QOLは、国民標準値と比べ低い。2ヶ月間の在宅医療マッサージの介入では、健康関連のQOLや基本的日常生活動作の自立度を有意に改善することはできなかったが、少なくとも患者の健康に関連したQOLや基本的日常生活動作の自立度を維持することができたのではないかと考える。また、患者の症状や状況に応じて、ストレッチなどの併用療法を活用することが治療効果の向上に繋がる可能性が示された。
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© 2015 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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