日本東洋医学系物理療法学会誌
Online ISSN : 2434-5644
Print ISSN : 2187-5316
原 著
鍼灸マッサージ受療高齢者の生活機能の状況に関する調査
- 厚生労働省の基本チェックリストのデータ分析 -
近藤 宏西村 博志尾野 彰小川 眞悟
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2017 年 42 巻 2 号 p. 55-63

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抄録
【目的】あん摩マッサージ指圧・はり・きゅう(以下、あはき)施術所に来所した高齢者に対して 基本チェックリストを用いて生活機能の状況を調査し、その特徴を分析し、介護予防・日常生活 支援総合事業対象者(以下:事業対象者)を把握することができるかを検討した。
【方法】調査は、協力の得られた施術所の多施設で実施した。あはき施術所に来所した高齢者に調 査の事前説明をし、同意を得た1,288人を対象にアンケート調査を実施した。有効回答数は878人 (有 効回答率68.2%) であった。調査は、無記名自記式調査とした。調査項目は、 ①基本チェックリスト、 ②性別、③年代、④要介護度、⑤健康感、⑥介護予防への取り組み状況、⑦介護予防に関する相 談者とした。質問は、単一回答式または多肢選択式とした。集計と分析は、単純集計および要介 護認定を受けていない高齢者について基本チェックリスト項目と属性との関連性についてクロス 集計でまとめ、カイ二乗検定を行った。なお、有意水準は5%とした。
【結果】要介護認定を受けていないあはき受療高齢者668人のうち、63.2%が事業対象者に該当す ると判定された。予防支援に関するプログラムが必要な生活機能は、うつ(55.7%)が最も多く、 次いで、認知機能(46.9%)であった。基本チェックリストと、属性(性別、年代、介護予防活動 状況)に関連性がみられた(P<0.05)。介護予防に関する相談者は、かかりつけ医が50.7%で最 も多く、あはき師に相談する者は3.3%であった。一方で、4割の者が介護予防に関する相談がで きる人がいなかった。
【考察・結語】事業対象者を把握することが可能であることが明らかとなった。また、性別、年代、 介護予防活動の状況と基本チェックリストとの関連性があり、あはき施術所に来所する高齢者の 属性による生活機能の状況の特徴を捉えることができた。
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© 2017 一般社団法人 日本東洋医学系物理療法学会
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