抄録
【目的】近年、運動器領域でも超音波画像装置が活用されているが、装置のサイズが大きいこと、装置の価格が高価であること等の問題がある。今回、パソコンに USB 接続することで撮像可能な小型の超音波画像装置の鍼灸領域における活用可能性を検討した。
【方法】鍼灸師の資格を有する大学教員 5 名および鍼灸学科所属の大学生 5 名、合計 10 名を対象者とした。対象者は、角度 10°前後、深さ 20㎜前後の条件で肩関節部および大腿部に刺入された鍼灸針(ステンレス鍼、直径 0.30㎜、長さ 60㎜)の撮像を 10 分以内で試みた。撮影装置は小型超音波画像装置(fST9600 レキオ・パワー・テクノロジー社製、以下、小型装置)と従来型の超音波画像装置(F-37 日立社製、以下、従来型装置)を用いた。両装置によって鍼灸針を撮像し、①超音波画像装置のメジャー機能を活用した計測値(以下、計測値)と、②体内に刺入されない部をメジャーで計測し、実験に使用した鍼体全体の長さ(60㎜)から、体内に刺入されていない部の長さを減ずることによって算出される推測値(以下、推測値)とを比較した。さらに、対象者に装置の使用感に関するアンケートに回答を求めた。
【結果】計測値と推測値の比較において、大腿部については小型装置で差が認められた(P=0.045)が肩関節部においては差は認められなかった。また、従来型装置では肩関節部および大腿部のいずれも計測値と測定値との間に差は認められなかった。使用感については、持ち運びのしやすさについて小型装置は従来型装置より良い傾向が認められた(P=0.01)。操作性については両装置で差は認められなかった。
【考察・結語】0.3㎜程度の物体であれば、小型装置は従来型装置と同等の撮像が可能であり、また、小型装置は取り扱いしやすいことが示唆された。