抄録
頸肩部の痛みやこり、さらに上肢の痛みや脱力などを主症状とする頸椎及びその周辺疾患は多岐にわたり、その病態や診断・治療には多くの課題がある。鍼灸手技療法の臨床では、対象となりやすい疾患である。
頸肩腕症候群は、器質的な疾患が明らかでない狭義の症候群が一般臨床で活用されている。また、 頸椎症や頸椎椎間板ヘルニアは障害される組織により、脊髄症・神経根症・関連痛型に大別される。 脊髄症が疑われた場合には、専門医への診療依頼が必要不可欠である。
筆者は、日常の臨床で頸部軟部組織型・神経根型・椎骨脳底動脈血行不全症状型・自律神経失調型・脊髄損傷型に分類し、鍼灸治療を実施している。
鍼通電療法は、障害された組織である神経や筋肉・関節・靭帯などを目標に実施している。こうした組織選択性の治療は日本鍼灸の特質であり、今後 EBM を基本とした基礎・臨床研究が必要 である。