日本ペインクリニック学会誌
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症例
低用量の三環系抗うつ薬が著効した持続性特発性顔面痛の3症例
眞鍋 治彦久米 克介加藤 治子武藤 佑理平森 朋子有川 智子
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2014 年 21 巻 2 号 p. 111-114

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抄録

顔面の痛みは,日常の臨床で非常に多くみられる症状であり,頭痛,眼,鼻,耳,口腔の異常,筋膜の障害,脳神経疾患により起こる.三叉神経痛や片頭痛の診断基準に当てはまらず,2~20年にわたり片側性の持続痛を訴える持続性特発性顔面痛(persistent idiopathic facial pain:PIFP)の3症例を,神経ブロックとともに10~25 mg/日の三環系抗うつ薬(tricyclic antidepressants:TCAs)で治療し,著明な痛みの軽減を得た.その後は,低用量(10 mg/日)のTCAs で効果を維持することができた.奏効機序は不明であるが,診断と治療に難渋する顔面痛患者には試みてよい治療法と思われた.

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© 2014 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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