抄録
歩行能力や日常生活動作(activities of daily living:ADL)が低下した腰下肢痛患者3例に対して,足漕ぎ車椅子Profhandを使用したペダリング運動でのリハビリテーションを実施し,その効果を検討した.腰下肢痛の原因疾患は,腰椎椎間板ヘルニア,あるいは腰部脊柱管狭窄症であった.ペダリング運動は,下肢への荷重負荷による痛みを起こさずに長時間運動を行うことができ,廃用症候群を改善することが可能であった.また,痛みの恐怖による回避行動が習慣となった患者の認識を変えることにも効果的であった.全例ともに,歩行能力やADLの改善が認められた.足漕ぎ車椅子は腰下肢痛患者の歩行練習導入前のプログラムとして有用である可能性がある.