2020 年 27 巻 4 号 p. 308-313
われわれは椎間関節造影とステロイド注入により寛解した,腰椎椎間関節嚢腫による下肢痛の3例を経験した.3例ともMRIで嚢腫様の腫瘤による神経根の圧迫所見があり,痛みの部位と一致した.椎間関節造影では椎間関節と嚢腫の交通が確認され,造影時に下肢痛の再現があった.2例は造影剤注入により嚢腫が破裂し,1例は破裂できなかったが,3例とも翌日には痛みが劇的に改善した.全例で6カ月以上経過しても再発がみられなかった.椎間関節造影は,本疾患において最初に行うべき治療法と思われた.