流通研究
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コーズ・リレーテッド・マーケティングと消費者コスモポリタニズム―解釈レベル理論を援用した経験的研究―
寺﨑 新一郎石井 裕明
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2018 年 21 巻 2 号 p. 17-30

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抄録

人々の社会意識の高まりに伴い,近年,多くの企業でコーズ・リレーテッド・マーケティング(以下,CRM)が採用されている。本研究では,CRMに影響を及ぼす要因として,コスモポリタニズムを取り上げる。特に,先行研究で明らかにされている特徴から,コスモポリタニズムの高さとCRMに対する評価が関係している可能性や,国外の支援対象への心理的距離を通じて好ましい訴求内容に違いを生む可能性に注目し,議論を進めた。実験1では,国内を支援対象としたCRMを設定し,コスモポリタニズムと消費者反応との関係性を探った。実験2と3では,国外を支援対象としたCRMを設定し,コスモポリタニズムに応じた効果的な訴求内容について,解釈レベル理論に着目して議論した。一連の実験結果からは,コスモポリタニズムが概してCRMに対する反応と正の関係性にあることに加え,国外を支援対象としたCRMにおいては,コスモポリタニズムによって生じる解釈レベルの差異に対応した訴求が好ましい評価を導くことが示された。

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© 2018 日本商業学会
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