日本ペインクリニック学会誌
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頭・頸部の急性帯状疱疹痛と帯状疱疹後神経痛の治療
星状神経節ブロックの有効性と限界について
比嘉 和夫廣田 一紀平田 和彦四維 浩惠石橋 幹子重松 研二
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2002 年 9 巻 4 号 p. 369-375

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抄録
帯状疱疹の40%は頭・頸部に発症している. 頭・頸部の交感神経ブロックとして第6あるいは第7頸椎の横突起部に5~10mlの局所麻酔薬を注入して星状神経節ブロックが行われている. この量の局所麻酔薬による星状神経節ブロックでは, 三叉神経領域の急性帯状疱疹痛を軽減させるが, 第6頸髄以下の急性帯状疱疹痛を軽減できない可能性がある. 頭・頸部の交感神経はT1からT4で形成されている. 硬膜外ブロックでT1からT4までの節前線維を遮断すれば, 星状神経節ブロックと同じ効果を得ることができる. 頭・頸部の激しい急性帯状疱疹痛では, 上胸部持続硬膜外ブロックにより, 良好な疼痛のコントロールを得ることができる. 確立した頭・頸部の帯状疱疹後神経痛に星状神経節ブロックは無効である. 星状神経節ブロック後に帯状疱疹後神経痛が軽減するのは, 局所麻酔薬が吸収され局所麻酔薬の血中濃度が上昇することによる効果が考えられる. 確立した帯状疱疹後神経痛には三環系抗うつ薬の内服が第一選択の治療法である.
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© 一般社団法人 日本ペインクリニック学会
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