本研究では, ファジィ制御の上位に異常認識機能を付加した, より安全な生体用自動制御機構を開発した.基本となる制御系にファジィ理論を導入することにより, 医師の経験則に基づいた血圧制御系を構築し, 制御方式を実際の医師の施行に近いものとした.その結果, 医療現場への導入に先立ち, 医師より良好な評価を得た.異常認識部では時系列信号の推移認識に基づき制御状態の評価を行い, 異常制御時に制御系に介入する機能により, 閉ループ制御の安全性を高めた.シミュレーションおよび動物実験の結果より本制御方式の有効性が確認された.