精密工学会誌
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累進レンズの断面曲線評価
伊藤 俊治成清 辰生
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1997 年 63 巻 1 号 p. 103-107

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抄録

累進レンズの断面曲線を評価する方法として, シンプレックス法を応用した手法を提示し, 以下の結論を得た.
(1) 参照3次元モデルとして, 遠近両用レンズの形状を選択し, あらかじめ4本×55とおりの取付け誤差を用意した場合, 本測定法では, 91%のシミュレーション結果が測定精度0.05μm (rms) 以下で測定可能であった.
(2) マスタとして, 軸外放物面鏡を選択し, 本測定法で測定実験したところ, 測定精度0.67μm (P-V) maxを得た.
(3) 試料として, 遠近両用レンズのガラスモールドを選択し, 測定実験した.繰返し性は0.29μm (rms) であった.
また, 本方式では, 探索により参照3次元モデルから選び出した曲線と走査測定データとのXY平面上での位置関係は, 個々の走査ごとに基本的には無関連だから, 3次元的な総合的評価はできない.レンズなどの光学部品の品質管理には, 3次元的な評価が望ましいので, 今後, 非軸対称形状の3次元的な測定に拡張する予定である.

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