抄録
周術期の栄養投与の基本的な考え方は、適切な代謝管理によって手術侵襲に伴う異化亢進による蛋白喪失を軽減し、術後の回復を改善することにあり、本特集は、術後早期の経口経腸栄養の効果に関するものである。さらに、最近になり、術前・術中栄養投与が侵襲そのものを軽減することが明らかにされつつある。本稿では、麻酔手技の長期予後への関与、術中の糖質投与による蛋白保持効果、術中・術後の厳密な血糖管理が術後早期及び長期合併症の発症を抑制する効果、術中アミノ酸投与が術中体温低下を抑制し手術侵襲を減弱する効果、術中及びICUでの脂肪乳剤投与、などのそれぞれの意義と問題点を考察する。