静脈経腸栄養
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原著
とろみ剤を用いた半固形経腸栄養剤と寒天を用いた固形経腸栄養剤の物性比較
伊藤 由紀今高 多佳子小林 一信山本 麻由宇佐美 康子水野 愛福元 由美梅崎 愛子波多野 範和鈴木 善男外山 義雄
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2006 年 21 巻 3 号 p. 3_77-3_83

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抄録

液体経腸栄養剤の胃食道逆流(GER)による誤嚥性肺炎を繰り返した症例にとろみ剤を用いて半固形経腸栄養剤にしたところ、GERに伴う誤嚥性肺炎を予防できた。そこで、半固形経腸栄養剤の物性について基礎的検討を行い、従来報告されている寒天を使用した固形経腸栄養剤との物性比較をおこなった。とろみ剤を添加すると、経腸栄養剤の粘度が経時的に変化し、「ずり流動化」を示した。また、胃内溶液モデルに投与すると、投与した状態の形態を保持した。一方、固形経腸栄養剤は、胃内溶液モデルに投与した直後に白濁を認めた。シリンジから投与する際の平均離水率は、半固形経腸栄養剤では0%、固形経腸栄養剤では36.6%だった。固形経腸栄養剤は、シリンジから押し出すと同時に液体が固形経腸栄養剤から溢れ出した。とろみ剤を用いた半固形経腸栄養剤は、GERに伴う誤嚥性肺炎の予防に有用である。

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© 2006 日本静脈経腸栄養学会
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