2006 年 21 巻 4 号 p. 4_29-4_34
透析医療には、医師、看護師、臨床工学技士、薬剤師、管理栄養士、医療ソーシャルワーカー、臨床検査技師などの多くの職種が関わっている。医療チームとして、それぞれの職種のメンバーが、ある程度の役割分担とお互いの業務内容を明確にし、相互理解を深めて、医療情報の共有化を実現することが大切である。透析医療における管理栄養士の専門性は、対象者の栄養状態・生活環境・心理状態などを適切に評価し、個々の価値観に合致した栄養ケアを実践することである。さらに、透析医療スタッフの栄養教育、地域医療機関との連携も管理栄養士の専門性発揮の場である。また、サプリメントや長期合併症の栄養療法、高齢化に伴う摂食・嚥下障害の問題など、透析医療分野において、管理栄養士が取り組むべき課題は多い。