抄録
Oral nutritional supplements (ONS) は付加的経腸栄養剤の経口投与のことであり、周術期、高齢者、急性期疾患などで、合併症発生率の軽減や活動性の向上などの有用性が報告されている。また、在宅患者でも悪性腫瘍をはじめ様々な病態において有用性が報告されており、主に低栄養患者に有用である。しかし、栄養剤の投与量や投与期間などは今後の更なる検討を要する。今回、我々は食道がん術後で外来通院中の高度体重減少患者20名に対し、1日250mLの経腸栄養剤によるONSを試みた。その結果、良好な飲用コンプライアンスと活動性増加などのQOLの向上を認め、体重増加も11名で認められた。ONSは患者本人の自発的な飲用が必要であり、栄養指導を含めた今後のNST活動を通じて展開していくのが理想であると思われる。