静脈経腸栄養
Online ISSN : 1881-3623
Print ISSN : 1344-4980
ISSN-L : 1344-4980
特集:ナトリウム管理におけるピットフォール
栄養管理・NST活動におけるナトリウム管理の基本の考え方
-体内水分移動を学ぶ-
飯島 正平
著者情報
キーワード: 栄養管理, ナトリウム
ジャーナル フリー

2009 年 24 巻 3 号 p. 747-751

詳細
抄録
栄養管理に多くの専門職が関与する時代になってきたが、致死的な血清カリウム異常と違い、ナトリウム管理に関してはその考え方が浸透しておらず、まだまだ十分な関与はできていない。その背景として、単なる投与量の増減では理解・解決できないことがあげられる。その調節機構はすこし複雑ではあるが、基本は理科で習った浸透圧の原理で、さらにナトリウム量の調節で水分の容量調節を行なう系が存在する。ナトリウム管理では、このように常に水分の移動を一緒に考えることが大切で、血清ナトリウム自体は水分の含有量により希釈されたり濃縮されたりするため、検査値は実際の量とは逆の動きをとる。また、治療はその水分量とナトリウム量の現状(過剰・欠乏)が把握でき、その調節機構を理解しておれば意外と簡単である。多くは緊急性のない病態であり、その進行も慢性的に進むので、急激な補正をせずじっくりと取り組むことも大切である。
著者関連情報
© 2009 日本静脈経腸栄養学会
次の記事
feedback
Top