静脈経腸栄養
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特集:ナトリウム管理におけるピットフォール
経腸栄養での管理
丸山 道生
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キーワード: 低Na血症, 経腸栄養, 食塩
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2009 年 24 巻 3 号 p. 761-767

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抄録
経腸栄養剤には推定平均必要量以上のNaが含まれてはいるが、一般的にその含有量は少ない。経腸栄養管理下では、Naの摂取量が少ないことに加え、以下の危険因子が作用し、経腸栄養管理患者の低Na血症を顕在化させる。(1)高齢者、脳血管障害などの患者因子 (腎機能低下や抗利尿ホルモン、アルドステロンなどのホルモンバランス異常などを引き起こし易い)、(2)症状・疾患因子(下痢嘔吐や心不全、肝硬変など)、(3)薬剤因子(利尿剤、抗てんかん薬、NSAIDs、降圧剤など)、などである。最近の食品扱いの栄養剤はNaが強化されている。Na含有量の範囲は50-240mg/100kcalで、栄養剤により4―5倍違うので、投与には注意を要する。経腸栄養時の低Na血症の基本的な対処法は食塩の補給だが、スポット尿のNa値の測定によりその病態を把握し、よりふさわしい治療を心がける必要がある。
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© 2009 日本静脈経腸栄養学会
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