静脈経腸栄養
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ISSN-L : 1344-4980
原著
外来化学療法患者における栄養障害患者の存在:簡易栄養評価法を用いた検討
三浦 あゆみ辻仲 利政今西 健二白潟 初美櫻井 真知子森岡 亜希子辻阪 真衣子梶原 絹代上野 裕之三嶋 秀行
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2010 年 25 巻 2 号 p. 603-607

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抄録

【目的】近年、外来化学療法患者が増加しているが、栄養状態の実態は明らかではない。【方法】今回、外来化学療法施行中の312症例(女性218例、男性94例)を対象に、簡易栄養スクリーニング法SNAQ(Short Nutritional Assessment Question)を用い、栄養状態を調査した。【結果】質問3項目のうち2項目以上該当した栄養介入必要群は51例(16%)であった。血清アルブミン値、ヘモグロビン値、小野寺の予後指標は、介入必要群で有意に低下していた。「食欲低下」項目該当患者の割合は、1項目該当群78例のうち73%、2項目該当群31例中では100%であった。男女別の比較では、血清アルブミン値、小野寺の予後指標は男性で有意に低下していた。疾患別では、下部消化管癌に栄養介入が必要な患者が多かった。【結論】今回の調査で、外来化学療法患者には栄養評価と栄養介入が必要であり、食欲低下への対策が重要であることが示唆された。

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© 2010 日本静脈経腸栄養学会
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