抄録
【目的】近年、外来化学療法患者が増加しているが、栄養状態の実態は明らかではない。【方法】今回、外来化学療法施行中の312症例(女性218例、男性94例)を対象に、簡易栄養スクリーニング法SNAQ(Short Nutritional Assessment Question)を用い、栄養状態を調査した。【結果】質問3項目のうち2項目以上該当した栄養介入必要群は51例(16%)であった。血清アルブミン値、ヘモグロビン値、小野寺の予後指標は、介入必要群で有意に低下していた。「食欲低下」項目該当患者の割合は、1項目該当群78例のうち73%、2項目該当群31例中では100%であった。男女別の比較では、血清アルブミン値、小野寺の予後指標は男性で有意に低下していた。疾患別では、下部消化管癌に栄養介入が必要な患者が多かった。【結論】今回の調査で、外来化学療法患者には栄養評価と栄養介入が必要であり、食欲低下への対策が重要であることが示唆された。