静脈経腸栄養
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特集
緩和ケアにおける栄養療法とQOL
濵 卓至
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2014 年 29 巻 3 号 p. 843-849

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抄録
 緩和ケアとは、重い病を抱える患者やその家族一人一人の身体や心などの様々なつらさをやわらげ、より豊かな人生を送ることができるように支えていくケアであり、診断された時からいつでもどこでも切れ目なく、治療と並行して実施することが望まれている。栄養療法は、がん患者の支持療法(supportive care)として重要な役割を担い、緩和ケアには欠かせないものである。がん悪液質の進行度、重症度に応じた栄養療法を選択し、多面的なアプローチを行いながら、患者・家族のQOL向上に努めることが重要である。終末期がん患者に対する輸液療法の実施では、治療の目標を確認しながら、その利益と不利益を患者・家族と十分に相談し、医療チームとして継続的に検討していく。その際、輸液療法に関する患者・家族の様々なつらさ、不安などの思いに対して、共感的に傾聴し、意思決定支援を早い時期から行うことが、QOL向上にとって大切なことである。
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© 2014 日本静脈経腸栄養学会
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