2021 年 57 巻 2 号 p. 321-325
CLDは早産児の長期予後に大きく影響する重要な疾患である.一般的に日齢28や修正36週における酸素投与を含む呼吸補助の必要性がCLD診断の根拠とされている.一方でCLDの診断基準に該当しても日齢とともに呼吸障害が軽減し呼吸補助が不要になる早産児もいる.
今回我々は当院NICUで入院管理した在胎32週以下の早産児について非侵襲的呼吸補助(NRS:持続陽圧換気,ハイフローカヌラ,酸素投与)の離脱時期を検討し現在のCLD診断時期との関係について比較を行った.
研究結果で在胎週数とNRS離脱時期の間に負の相関を認めたが,相関の程度は在胎週数と日齢(R=0.82,R2=0.67)が強く,修正週数との相関は小さかった(R=0.45,R2=0.20).修正36週以降もNRSを要した症例の半数以上が修正42週までにNRSから離脱できた.このことから,現在のCLDの診断基準はCLD以外の原因による呼吸障害を包括する危険性があると考えられた.