2021 年 57 巻 2 号 p. 385-389
脊髄の異常を合併したSpondylocostal Dysostosis(SCDO)の新生児2症例を経験した.
症例1は椎骨・肋骨の変形や欠損に加えて,右裂足,低位脊髄円錐,脊髄脂肪腫を認めた.症例2は新生児脳梗塞による痙攣を主訴に搬送され,椎骨・肋骨の変形や欠損のほかに脊髄脂肪髄膜瘤,左腎欠損を認めた.仙尾部の皮膚所見は症例1では臀裂襞の軽度の彎曲を,症例2では臀裂に覆われる低い位置に浅い陥凹を認めるのみであったが,脊髄超音波検査を施行したところ脊髄病変が疑われ,脊髄MRI検査を行って診断した.SCDOに脊髄の異常を合併する頻度は稀とされているが,従来の報告より脊髄病変を合併する頻度が高い可能性はあり,治療介入を必要とする症例を見逃さないよう新生児期に脊髄超音波検査でスクリーニングをすることは有用と考えられる.