日本周産期・新生児医学会雑誌
Online ISSN : 2435-4996
Print ISSN : 1348-964X
症例報告
Peters奇形を伴った18番染色体短腕テトラソミー
山根 沙綾佐久間 彩子長ヶ原 玖美松原 千春内田 晃本田 茜前野 誓子隅 誠司木原 裕貴寺田 佳子西村 裕
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2024 年 60 巻 2 号 p. 298-303

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抄録

 18pテトラソミーは精神遅滞,摂食障害,特徴的顔貌等を呈する染色体異常である.またPeters奇形は,角膜中央に混濁を生じる先天性前眼部形成異常の疾患群であり,60%に先天性心疾患,口唇口蓋裂などの合併症を認める.Peters奇形を合併した18pテトラソミーの症例を経験したため報告する.症例は在胎37週5日,出生体重2,212g,身長44.0cmと在胎不当過小で経腟分娩にて出生した女児.呼吸障害,低血糖を認め,入院管理となった.左角膜混濁,特徴的顔貌,高口蓋,両母指内旋,MRIで脳梁低形成を認め,Peters奇形を伴う先天異常症候群が疑われた.染色体検査では47,XX,+i(18)(p10)と18pテトラソミーの所見であった.18pテトラソミーの眼科所見として斜視の報告はあるが,前眼部病変をもつ症例は報告されておらず,極めて稀な合併例と考えられた.

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© 2024 日本周産期・新生児医学会
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