日本小児外科学会雑誌
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posterior sagittal anorectoplasty による直腸肛門奇形根治術後の排便機能 : 他の術式施行例との比較検討
辻 尚人Horacio Tamada吾妻 達生川原 央好福井 雄一福沢 正洋鎌田 振吉岡田 正井村 賢治窪田 昭男
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1994 年 30 巻 2 号 p. 229-235

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抄録

高位中間位直腸肛門奇形に対し, posterior sagittal anorectoplasty を施行し,3年以上を経過した12症例 (PSARP 群)の排便機能を,以前に他の根治術を施行した14症例(他術式群)と比較検討した.臨床的排便機能評価では,スコアの平均は PSARP 群5.3点,他術式群4.1点であったが,統計的有意差はなかった.失禁に開しては,有意に PSARP 群が良好であった.また,中間位症例においては, PSARP 群で便秘をきたす症例が多かった.術後直腸肛門内圧検査では,両群に明らかな差は認めなかったが,肛門管長は PSARP 群がやや長い傾向にあった.術後注腸造影検査では, leakage, angulation について,高位症例では PSARP 群が良好であったが,中間位症例では差は認められなかった.術後排便機能上, PSARP 群に筋群を切開したことによる障害は示唆されなかった.

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© 1994 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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