日本小児外科学会雑誌
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気管無形成の1例 : 3D ヘリカル CT による解剖学的構造の検討
山川 智之井村 賢治石川 士郎米田 光宏小林 敬北山 保博八木 誠
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1995 年 31 巻 1 号 p. 14-19

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抄録
気管無形或は出生直後より著明な呼吸障害を呈する重篤な先天性奇形であり,予後はきわめて不良である.今回我々は,複雑心奇形及び両側外耳道欠損を合併した気管無形成の1例を経験した.生後直ちに食道挿管を行い,同日食道絞扼術及び胃痩造設術を行った.生後7日目に頚部食道痩造設術を行ったが,食道穿孔・気縦隔のため生後8日目に死亡した.本症例では3次元ヘリカル CT にて気道系を明瞭に描出し得た.本症例と,我々が以前手術し,5歳9ヵ月の現在に至るまで生存中の別の症例の3次元表示 CT を比較し,その解剖学的構造の予後に与える影響等につき検討した.本症における長期生存の条件は,気管又は気管支食道痩が太いこと,または気管チューブが痩孔を越えて安定した位置に留置できることであると考えられた.また,白験例を含む本邦報告23例について集計し文献的考察を加え併せて報告した.
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