日本小児外科学会雑誌
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小児胆石症の2例
岡田 忠雄真家 雅彦江東 孝夫松村 俊範堀江 弘
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1995 年 31 巻 1 号 p. 20-26

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抄録
小児胆石症は比較的稀な疾患とされるが,最近我々は本症を2例経験した.症例1は2歳2ヵ月の男児.上腹部痛,嘔吐を主訴に来院した.肝胆道系酵素の上昇あり,エコーにて胆嚢内胆石が認められた. ERCP で胆嚢管は総肝管とほぼ並走し,胆嚢は肝門部近傍に存在し横位胆嚢の像を示した.総胆管結石はなく,膵胆管合流異常は存在しなかった.胆嚢摘出術を行い,胆嚢体部,胆嚢管にそれぞれ1個のビリルビン結石を認めた.患児は術後1年8ヵ月を経過し症状の再発なく順調に過ごしている.症例2は4歳2ヵ月の男児.腹痛,嘔吐を主訴とし腹部単純 X 線写真にて第1腰椎右側に小豆大の石灰化像を4個認めた. ERCP にて膵胆管合流異常はなく,術中胆道造影で解剖学的異常及び肝内結石・総胆管結石は存在しなかった.胆嚢摘出術を施行し,胆嚢内に炭酸カルシウム結石が4個認められた.患児は術後5ヵ月を経過し元気に過ごしている.
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© 1995 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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