日本小児外科学会雑誌
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埋没陰茎の改良術式
韮澤 融司伊藤 泰雄薩摩林 恭子田中 裕之坪井 美香子河野 修一
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1996 年 32 巻 2 号 p. 285-289

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抄録

肥満児では正常な大きさの陰茎が脂肪組織のため短小に見えることがあるが,この場合には外科治療の必要はない.一方,埋没陰茎は陰茎海綿体が埋没し,真性包茎を合併しているため正常な陰茎皮膚が形成されておらず外科治療の対象となる.過去6年間で45例の包茎手術を行い,そのうち10例か埋没陰茎を合併していた.これらの症例に対し包茎の手術後,陰茎の背側に Z字型切開,腹側に U字型切開を加え,陰茎と腹壁の間の線維性索状物を完全に切離した後,陰茎を体外に牽引しつつ背側は Z形成を行い,腹側の U字型切開部を Y字型に縫合することにより良好な結果を得た.埋没陰茎に対して包茎の手術のみを行ったのでは陰茎幹は形成されず将来に大きな障害を残すことになる.本法は手技も簡単であり,手術後は健常児とかわりのない外観を示し,勃起も正常となる.埋没陰茎を治療する際,包茎の手術のみにとどめず陰茎の形成も併せて行う必要がある.

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© 1996 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

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