1997 年 33 巻 4 号 p. 747-752
進行神経芽腫の予後は,厚生省神経芽腫プロトコールによる強力な化学療法で改善した. しかし治療の副作用や合併症も増加,非腫瘍死が問題となることもある. 我々は治療により寛解導入できたが,サイトメガロウイルス感染症により脳内出血と呼吸不全で死亡した,右副腎原発の神経芽腫,病期 VIA の2歳男児例を経験した. ポリメラーゼ連鎖反応 (PCR) によるサイトメガロウイルスゲノム検出の早期・迅速診断と早期の適切な治療の必要性を痛感したので報告した.