日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
先天性頸部遺残軟骨の 2 例
伊勢 一哉金沢 幸夫吉野 泰啓後藤 満一北條 洋
著者情報
キーワード: 先天性頸部遺残軟骨
ジャーナル フリー

2000 年 36 巻 2 号 p. 313-316

詳細
抄録
先天性頸部遺残軟骨は, 出生時よりみられるまれな鰓弓由来の頸部腫瘤であるが, 全身に及ぶ種々の異常を伴うことがあり注意を要する.本症の2例を経験したので報告する.症例1 : 1歳3ヵ月の男児.左胸鎖乳突筋前縁で, 筋の起始部近くの皮下に弾性硬の腫瘤を認め, 摘出術を行った.病理所見で腫瘤は弾性軟骨であった.その他, 外表奇形は認められなかったが, 新生児期にてんかん発作, 無呼吸発作, 口鼻逆流の既往を有した.症例2 : 3歳4ヵ月の男児.左胸鎖乳突筋前縁で, 筋の起始部近くの皮下に腫瘤を認め, 摘出術を行った.病理所見で腫瘤は症例1と同様に弾性軟骨であった.その他, 外表奇形は認められなかった.本症は第1鰓弓および第2鰓弓由来の合併奇形であるが, 他の全身性の異常も考慮し治癒にあたらねばならない.
著者関連情報
© 2000 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top