日本小児外科学会雑誌
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我が国の小児外科の将来への提言 : 小児病院勤務医の視点から(<特集>日本の小児外科の将来への提言)
黒田 達夫
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キーワード: 小児外科, 教育
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2002 年 38 巻 7 号 p. 1015-1019

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抄録

近年の小児外科の発展は, キャリーオーバー症例の管理や胎児外科の様な専門的医療から一般小児救急医療にいたる小児外科に対するニーズのますますの多様化をもたらした.我が国の現状の様に多くの小児外科施設が濫立して各施設がそれぞれ単独で多様化したニーズに対応することは限界に近付きつつあると思われる.厳しい勤務形態を強いられながら, 一方で施設当たりの症例数の減少による個々の施設や小児外科医の研究, 臨床, 教育レベルの国際競争力低下が危惧される現状はわれわれ若い小児外科医にとっても大きな不安となりつつある.このような我が国小児外科の問題点に対する将来の方向性として, 淘汰型の小児外科施設や小児外科医の制限ではなく, 垣根のない小児外科施設の再編成による有機的な医療施設複合体の形成により皆が生き残る方法を模索することを提言したい.

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