日本小児外科学会雑誌
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腸回転異常症術後再軸捻転の1例
岡本 竜弥佐野 薫小笠原 敬三
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2004 年 40 巻 2 号 p. 193-197

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抄録

腸回転異常症に対する手術の目的は,中腸軸捻転の解除およびその再発予防である.今回我々は,腸回転異常症術後に中腸軸捻転の再発を来たし再手術を施行した1例を経験したのでこれを報告し,本邦における再軸捻転報告例を集計し考察する.症例は2歳男児.生後26日目に中腸軸捻転を伴う腸回転異常症に対して当科にてLadd手術を施行した.その後経過良好であったが,術後1年11ヵ月目に胆汁性嘔吐を主訴に入院.中腸軸捻転の再発と診断し手術を行った.開腹時時計回り360度の中腸軸捻転を認め,これを整復し盲腸とS状結腸とを固定する腸管固定術を行った.腸回転異常症に対する標準手術術式はLadd手術であるが,これに腸管固定術を追加することは一般的に不要とされる.しかしながら,再捻転予防の観点から症例によっては腸管固定術の追加が有用である可能性が考えられた.

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