日本小児外科学会雑誌
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小児期に発症し若年で胆嚢摘出術を施行した胆嚢腺筋腫症の1例
岡邨 香織石丸 由紀木崎 義行大谷 祐之高安 肇森 吉臣池田 均
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2004 年 40 巻 5 号 p. 713-717

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抄録
小児期に食後の右季肋部痛で発症し,17歳時に胆嚢摘出術を施行した胆嚢腺筋腫症の1例を経験した.症例は10歳時より食後の右季肋部痛があり,16歳時,精査目的で来院.腹部超音波検査で胆嚢壁のびまん性肥厚を認め,1年間の経過観察を行った後,症状が軽快しないため腹腔鏡下胆嚢摘出術を施行した.摘出胆嚢は壁の厚さが3mmから4mmで,組織学的にRokitansky-Aschoff洞のびまん性増殖と部分的な筋線維の増生を認め,びまん型の胆嚢腺筋腫症と診断した.術後経過は良好で,7ヵ月を経過し無症状である.本症は小児期に発症し外科的治療を必要とすることは稀であるが,右季肋部痛や心窩部痛を繰り返す症例では小児でも本症を鑑別診断の一つに加える必要があると結論された.
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