2004 年 40 巻 7 号 p. 884-889
症例は日齢1の男児で,嘔吐,腹部膨満を主訴とし当科紹介入院となった.先天性回腸閉鎖症の術前診断にて同日緊急手術を施行し,回腸に膜様狭窄,上行結腸に離断型閉鎖を認めた.回腸狭窄に対し拡張部回腸切除・端々吻合を施行し,結腸閉鎖に対しては口側盲端と肛門側盲端をそれぞれ単孔式の人工肛門とした.月齢3ヵ月で結腸閉鎖根治術を行ったが,吻合部狭窄により計3回の結腸吻合を要した.先天性結腸閉鎖症の自験例を含めた本邦126例の報告について検討し,本症の臨床像ならびに治療について文献的考察を加え報告した.