2013 年 49 巻 4 号 p. 909-915
【目的】九州の小児外科施設における外傷診療の現状について明らかにすることを目的とした.
【方法】九州地区において小児外科診療を行っている30 施設にアンケートを依頼し,22 施設から有効回答を得た.各質問への回答をもとに小児外傷診療の現状について検討した.
【結果】小児外科医が小児外傷の初期診療から関わっていると回答した施設は59%(13/22)であった.また外傷チームを設定している施設は2 施設のみであった.過去5 年間の主要な腹部臓器の損傷患者の入院総数は平均で9 人(1.8 人/年)であった.
【結論】各施設の小児腹部外傷の診療数は少なく1 施設でのデータの蓄積は難しい.今後,小児外傷診療システムを確立するためには,その根拠となるデータを多施設で収集することが必要である.