日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
外鼠径ヘルニアに対しlaparoscopic percutaneous extraperitoneal closure 施行時に偶然発見され,自然消失を認めた多発性乳幼児肝血管内皮腫の1例
小山 宏美寺倉 宏嗣吉元 和彦川端 誠一
著者情報
ジャーナル フリー

2013 年 49 巻 5 号 p. 991-995

詳細
抄録
乳幼児肝血管内皮腫(以下本症)は自然消失する症例がある一方,重篤な状態を来し外科処置を必要とすることも多い.今回外鼠径ヘルニアに対しlaparoscopic percutaneous extraperitoneal closure(以下LPEC)施行時に偶然発見し,自然消失した本症の1 例を経験したので報告する.症例は1 か月の女児.当科にて左卵巣脱出を伴う鼠径ヘルニアに対してLPEC 施行時に偶然,多発する肝腫瘤を発見した.腹部超音波検査,造影CT 検査およびMRI 検査より本症と診断した.発見時に無症状で血液検査でも異常を認めなかったこと,本症では自然退縮する場合があることより経過観察の方針とした.腹部超音波検査で6 か月後より腫瘤の不鮮明化・縮小化が確認され,腫瘤が描出困難となった2 年1 か月後には腹部MRI 検査で腫瘤の完全消失を認めた.
著者関連情報
© 2013 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top