抄録
症例は男児であり在胎22 週に巨大膀胱を認めたため紹介された.下部尿路閉塞が疑われ,胎児膀胱穿刺,膀胱羊水シャントを施行したが膀胱は再拡張を繰り返した.生後,胎便排泄がなく注腸造影にて狭小化した結腸を,上部消化管造影では蠕動の乏しい拡張した胃を認め,造影剤は十二指腸で停滞した.直腸粘膜生検ではアセチルコリンエステラーゼ陽性線維の増生を認めず神経節細胞を認め,megacystis microcolon intestinal hypoperistalsis syndrome(MMIHS)と診断した.消化管出血のため日齢42 に緊急で開腹し胆囊瘻,チューブ回腸瘻,チューブ空腸瘻を造設した.経腸栄養は進まず,6 か月時に肝機能の急激な悪化と凝固能異常を来たし,7 か月時に大量の吐下血により失った.本症例は対光反射が鈍く,回腸におけるα smooth muscle actin(αSMA)免疫染色異常からacetylcholine receptor の異常が関連する平滑筋の機能不全が推察された.