抄録
症例は7 生月男児.在胎25 週,759 g にて出生し,脳室内出血後に水頭症を発症したため,3 生月にVP シャント造設術が施行された.6 生月より腹部膨満が出現し,哺乳不良,嘔吐を認めるようになり当科へ紹介となった.超音波検査と造影CT で腹腔内を占拠する,VP シャントチューブを内部に含む囊胞性病変を認めた.臍下の小開腹で囊胞内容液を吸引しながら,囊胞の内側および外側より腹腔鏡にて観察したところ,囊腫壁全体が薄い大網より形成され,手術所見上,炎症や癒着が殆どないことが確認されたため,囊胞全体を臍より体外に引き出し,囊胞切除を行った.VP シャントに関連した腹腔側合併症としては腹腔内仮性囊胞が知られているが,本例は大網内腔に脳脊髄液が貯留してできた二次性の大網囊腫と考えられた.同様の報告は本邦で1 例,欧米で2 例報告されているのみで,きわめてまれと考えられるが,VP シャントの腹腔側合併症として認識しておくべき病態と考えられた.