日本小児外科学会雑誌
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原著
Nuss 手術直後の胸郭形態の変化
―胸壁トレースによる測定―
納所 洋植村 貞繁牟田 裕紀久山 寿子山本 真弓吉田 篤史
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2013 年 49 巻 7 号 p. 1191-1195

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抄録
【目的】漏斗胸に対して低侵襲なNuss 法が広く普及してきた.Ravitch 法ではなし得なかった矯正効果を明らかにするため,胸郭の形態変化を手術前後で測定し,比較検討を行った.
【方法】当院でNuss 法を行った32 例を対象とした.手術時の年齢は平均11.3 歳(5 歳~38 歳),男女比は28:4 であった.手術直前・直後に,胸骨下端における前胸部の形状を,ORTHOGLASS®を用いて直接型取り,背面からの高さを測定した.測定部位は,胸郭の最陥凹部(D),右・左の胸郭頂部(RT・LT),右・左の胸郭頂部と端部の中点(RM・LM)の5 点とした.術前後の各点における変化率(術後値/術前値)を求め,形態の変化を検討した.また,最陥凹部の高さと左右頂部の平均の高さとの比(D÷{(RT+LT)÷2})を求め,術前値を陥凹率,術後値を突出率として,併せて評価した.
【結果】各点での平均変化率は,D が1.308±0.109,RT が1.025±0.045,LT が1.018±0.055,RM が0.936±0.043,LM が0.937±0.037 であった.陥凹率は0.861±0.065 であり,突出率は1.097±0.045 であった.
【結論】最陥凹部の挙上効果は極めて良好で,術後は胸郭頂部よりも高くなっていた.胸郭頂部の高さは変化がほとんどなく,その外側では高さが低くなっていた.すなわち,胸郭が一弦の弧を呈するように,陥凹面のみならず外側の急峻な彎曲も矯正されていた.Nuss 法は,Ravitch 法よりも良好な胸郭形態が得られる可能性がある.
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