日本小児外科学会雑誌
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症例報告
小児排便時下血症例に対するCT colonographyの経験
久保 裕之下野 隆一田中 彩遠迫 俊哉則兼 敬志助石 宙志
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2014 年 50 巻 4 号 p. 826-830

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抄録

排便時に下血をきたす小児では,肛門周囲に病変がない場合には大腸ポリープなどの大腸内病変の検索が必要である.現在,その検索には主に直腸鏡,注腸造影,大腸内視鏡が用いられるが,いずれも簡便かつ安全な検査とはいい難い.そこで今回我々は小児排便時下血症例5 例に対し,成人領域では広く用いられているCT colonography を応用した.前処置を施行した上で腸管内に30 ml/kg の空気を注入し,仰臥位と腹臥位の2 体位撮影を行った.すべての症例で合併症なく施行し得た.1 例にS 状結腸に腫瘤性病変を認め,大腸内視鏡にてこれがポリープであることを確認し切除を行った.残りの4 例は画像上無病変と判断し,経過観察中に症状は消失した.CT colonography は小児排便時下血症例に対して有用な検査と思われた.

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