2014 年 50 巻 5 号 p. 920-924
症例は4 歳,男児.臍から心窩部にかけての痛みと嘔吐が出現し,2 日間持続した.当院での腹部超音波検査および腹部造影CT では胆囊の腫大と壊死を伴った壁肥厚がみられ,胆囊捻転症と診断した.腹腔鏡にて観察したところ胆囊は著明に腫大しており,捻転,壊死を起こしていたため腹腔鏡下に切除した.胆囊捻転症は特徴的な所見に乏しく診断が困難とされているが,本症例では超音波検査と造影CT が診断に有用であった.小児において胆囊捻転症は稀な疾患であるが,小児の急性腹症の鑑別として念頭におくことが重要と考える.