抄録
Wilms 腫瘍は主に小児にみられる腎悪性腫瘍であり,その中でも腎外性Wilms 腫瘍は稀な疾患である.多くの他の小児悪性腫瘍と同様に,無症状であることが多いが,腹痛時に腹部腫瘤を触知し偶然発見されることもある.症例は6 歳女児,特記すべき既往歴なし.腹痛で近医を受診した際に左側腹部腫瘤が発見され,精査加療目的に当科紹介となった.腹部CT で左下腹部に腎との連続性のない8 cm 大の充実腫瘤を認めたが,遠隔転移は認めなかった.後腹膜原発の悪性腫瘍を疑い,腫瘍切除術を施行したところ,病理組織所見で腎外性Wilms 腫瘍と診断された.腎原発Wilms 腫瘍と比較した腎外性Wilms 腫瘍の予後に関して定まった見解はなく,また本邦においては,その治療法について未だ確立されたプロトコールもないため,治療プロトコールの早期確立が望まれる.