日本小児外科学会雑誌
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原著
胎児心臓超音波検査による先天性横隔膜ヘルニアの新しい重症度指標
矢本 真也福本 弘二宮野 剛納所 洋森田 圭一三宅 啓金城 昌克漆原 直人
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2015 年 51 巻 2 号 p. 205-212

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抄録
【目的】先天性横隔膜ヘルニア(CDH)の出生前重症度指標についての数々の報告があるが,主に肺の容積を正確に計測することが重要視されている.今回,胎児心臓超音波を用いて,循環動態の視点から後方視的に検討したので報告する.
【方法】1997~2012 年に当院で経験したCDH 胎児診断例中,複雑心奇形,多発奇形合併例を除いた左側症例27 例を対象とした.胎児心臓超音波での心胸郭面積比(CTAR),肺動脈弁/大動脈弁弁輪径比(PV/AV 比),三尖弁/僧帽弁弁輪径比(TV/MV 比)を計測し,正常群とCDH 群の比較と,CDH 群での転帰,生後24 時間での動脈管の血流方向について後方視的に検討した.
【結果】正常群とCDH 群の比較ではCTAR,PV/AV 比,TV/MV 比の全てで有意差を認めた.生存例と死亡例の間にCTAR は有意差を認め(p=0.01),PV/AV 比は有意差を認めなかった.TV/MV 比は週数が進むに連れ,死亡例の値が上昇し,有意差を認めた(p<0.001).動脈管の血流方向では左→右,両方向,右→左でCTAR,PV/AV 比に有意差はなかったが,TV/MV 比で有意差を認めた.右→左の血流方向であった群は32 週以降,TV/MV 比の上昇を認めた.
【結論】左心低形成の指標であるTV/MV 比は,32 週以降重症度を反映する結果となり,胎児心臓超音波検査はCDH 出生前重症度指標として有用であると考えられた.
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