日本小児外科学会雑誌
Online ISSN : 2187-4247
Print ISSN : 0288-609X
ISSN-L : 0288-609X
症例報告
術前診断されたD 型食道閉鎖症の1例
―術前診断に関しての考察―
長谷部 達也須貝 道博小林 完袴田 健一
著者情報
ジャーナル フリー

2015 年 51 巻 4 号 p. 804-807

詳細
抄録
症例は日齢0 の男児.在胎週数41 週5 日,3,836 g,自然分娩で出生した.出生時,羊水混濁とチアノーゼ,唾液の貯留を認め,経鼻胃管の挿入を試みたが挿入できず,食道閉鎖症が疑われた.胸腹部単純レントゲン写真ではcoil up 像を認めなかったため,診断のため食道造影を行った.上部食道に続いて気管および下部食道が描出されD 型食道閉鎖症と診断された.同日当科に紹介,転院となり,気管食道瘻修復および一期的食道吻合術を行った.術後,口側の気管食道瘻部の軟化のため呼吸管理に難渋し,術後28 日目に気管切開を行った.気管切開後の換気障害はなく,術後30 日目に人工呼吸器を離脱し術後42 日目に小児科転科となった.D 型食道閉鎖症の術前診断は困難だが,上部の気管食道瘻を見逃すと術後に重篤な呼吸器合併症を引き起こす.そのため術前の上部の気管食道瘻の検索は食道閉鎖症全例に行われるべきであり,気管支鏡が検査法として最も適当であると考えられた.
著者関連情報
© 2015 特定非営利活動法人 日本小児外科学会

この記事はクリエイティブ・コモンズ [表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際]ライセンスの下に提供されています。
https://creativecommons.org/licenses/by-nc-sa/4.0/deed.ja
前の記事 次の記事
feedback
Top