抄録
陰囊部のリンパ管奇形様病変と左下肢浮腫を伴ったabdominoscrotal hydrocele(以下ASH)の乳児例を経験したので報告する.症例は3 か月,男児.母親が1 型糖尿病.在胎39 週,出生体重4,504 g の超巨大児で出生.出生時より陰囊の腫大を認めていた.1 か月健診で陰囊腫大を再度指摘され当科紹介となり,左精巣水瘤の診断で経過観察となった.生後2 か月時に陰囊腫大が増大し,超音波,MRI 検査で左ASH と陰囊部リンパ管奇形が疑われた.急速な増大と左下肢の浮腫が認められたため,ASH に対して根治術を施行した.術後,陰囊部リンパ管奇形様病変と左下肢浮腫の改善を認めた.巨大なASH の圧排が陰囊部・左下肢のリンパ還流と左下肢の静脈還流を障害したことで,陰囊部のリンパ管奇形様浮腫と左下肢浮腫が出現・増強したものと考えられた.