日本小児外科学会雑誌
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症例報告
膵仮性囊胞に対するドレナージのみで治療し得た外傷性膵損傷IIIb型の1例
―本邦28例の文献的考察―
曽我美 朋子富樫 佑一文野 誠久東 真弓青井 重善古川 泰三田尻 達郎
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2016 年 52 巻 1 号 p. 113-119

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抄録
主膵管損傷を伴う膵損傷IIIb 型は小児では稀であり,標準的な治療指針は確立していない.今回,小児IIIb 型膵外傷の1 例を経験したので,本邦28 例の検討を含めて報告する.症例は6 歳男児.自転車ハンドルで腹部を強打し,腹痛が増強したため近医を受診,仮性膵囊胞を認め入院となり,受傷後11 日に当院へ転院となった.受傷後15 日に内視鏡的逆行性膵管造影(ERP)を行い,膵体部での膵管断裂を確認し,逆行性に囊胞ドレナージを試みたがチューブを挿入できず,膵頭部にチューブを留置して終了した.しかし,翌日に仮性膵囊胞破裂を発症し,緊急開腹術を行った.膵切除は施行せず,腹腔ドレナージのみを行った.術後経過は良好で受傷後75 日に退院となった.小児IIIb 型膵損傷に対しては,膵切除による手術合併症のリスク,非切除治療による長期入院および経過中の合併症によるリスクを考慮し,症例ごとに十分検討して治療方針を決定することが望ましい.
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