抄録
症例は6 か月,男児.生後5 か月頃より喘鳴を認め,6 か月になると吸気性喘鳴と陥没呼吸が出現し,当院小児科を受診した.頸部レントゲン検査で頸部気管内腔に突出する陰影を認め,声門下腔狭窄症が疑われ当科紹介となった.硬性気管支鏡検査を予定したが,呼吸状態が悪化し,著しい努力様陥没呼吸,哺乳不良,啼泣時のSpO2 の低下を認めた.緊急硬性気管支鏡検査を施行すると,声門下腔に左後壁から発生し内腔を占拠する腫瘤性病変を認めた.気道確保を最優先し,緊急気管切開術を施行した.術後の造影CT 検査で壁にのみ造影効果を有する囊胞性病変を認め,声門下腔囊腫と診断した.2 週間後,硬性気管支鏡下に囊腫亜全摘術を施行した.病理組織検査では気道上皮からなる囊胞壁と診断された.1 か月後に再び硬性気管支鏡検査を行い,気道上皮が再生し,囊腫病変の再発のないことを確認し気管切開チューブを抜去した.術後,半年以上経過するが再発なく経過している.